参加申し込み

市民セミナー報告書より

お盆休みにも大勢の参加者

お盆の時期の実施で、参加者の集まり具合を心配しましたが、「キノコ」のテーマに興味を抱かれた方が予想以上に多く30名が集まりました。晴れたり曇ったりの天候で、気温は31℃。風が吹くと涼しく感じる散策路の野外観察では、時間を忘れるほどキノコの観察に熱中して、約20種類のキノコを採取しました。

趣味が高じて、キノコの研究者をサポート

兵庫きのこ研究会・代表の中嶋さんに講演していただきました。神戸市役所にお勤めですが、1987年より始められたキノコの研究が高じて、2001年には研究会を設立されました。独学でキノコ研究をされている方々をサポートしたいと考え、キノコの研究家や愛好家に学習や研究の場を提供するとともに、公的な調査にも関わっておられます。
2007年には『兵庫のキノコ』(兵庫きのこ研究会編著、のじぎく文庫)を出版され、兵庫県下で出会えるキノコ245種類を紹介されています。

キノコの楽しみは「探求」だと語る中嶋さん

 一般に野生のキノコを目にすると、「食べられるかどうか」が気になることが多いものです。
 中嶋さんは、キノコの楽しみは「見つけること」「鑑賞すること」「同定すること」の3つ、つまり「探求」にあると強調されました。
 まず野外観察の進め方を説明され、記念碑台周辺の散策路でキノコを観察しました。キノコを見つけた都度、中嶋さんに解説してもらいました。「見つけること」と「鑑賞すること」を体験し、センターに戻って採取したキノコを図鑑で確認するなど「同定すること」もしました。
続いての講演で、多種多様なキノコの種類を色鮮やかなスライドを使って様々な生態を分かりやすく説明されました。また中毒の話にも触れられて、「毒キノコの見分け方の決定版はない」と結論づけられました。
 キノコは樹木とお互いに自分では摂取できない栄養分を交換し合う、「共生」の関係で生きているお話しから、いっそうキノコへの関心を深めました。

自然に触れる楽しみが広がった

キノコという身近でもよくわからなかった生物の不思議さ、多様さ、そして、「探求」の楽しさも味わいました。野山を散策し、足下に目を凝らしてみるとたくさんのキノコに出会えます。きっと、楽しみの世界を拡げるきっかけができたことでしょう。