市民セミナー報告書より
六甲山上はアジサイが満開
晴れ渡った六甲山上は23℃。至る所でアジサイが満開でした。午前中は大垣グループ「ピカピカ隊」10名の応援を受けて、22名という大勢で3コースに分かれて、環境整備活動で気持ちよく汗を流しました。
栗山さんは新進の女性研究者
神戸大学工学部の助教の栗山さんは、「女性が少ない工学部ですが、建築学科は3分の1が女性です」と、女性の進出が目立つことを紹介されました。
幼少時代から篠原の町に通い、思いがけず神戸大学に勤められ、坂道を登る生活をされています。留学されたアメリカのシアトルは神戸市との姉妹都市で、坂があり、湾を望む街です。「私は忙しくても食事は抜かない」と食通の生活も大事にされています。
ご専門は眺望景観や街路景観で、密集地帯の住環境整備や、人口減少社会でのニュータウンの動向も研究されています。積極的な提言が求められる領域であり、今後ますます活躍が期待されると思われます。
神戸らしい「生活景」を見直した
講演では、まず「神戸の景観と景観の保全」として、神戸の特徴的な景観を説明されました。「海と山が近いのが一番の特徴」とし、住民が愛する眺望景観を保全する必要を強調されました。
続いて、神戸の生活景を代表する毎日登山について、登山者にアンケート調査された結果を解説されました。登山者は自分が毎日登っている登山ルートに愛着を持つという傾向を指摘され、都市特有の都市イメージを形成する眺望景観と、日々触れる愛着のある眺望「生活景」との違いを例示されました。出席者を対象に「神戸らしい眺望景観」を調査すると、「ハーバーランドから見る眺望」が最高点でした。
記念碑台の展望台に出て、大阪湾を見渡しながら、眺望景観の話を聞き、座学にない開放感を味わいました。
「生活景」とはふつうに生活している中で見慣れた景観であり、周辺の高層住宅などが景観を阻害している事例にも言及されました。
景観をもっと大事にしたい
日本では土地の所有が優先するあまり、景観が軽んじられる傾向があり、懸念していました。今回は「生活景」という視点を提供していただいて、景観を大事にすることが市民社会の重要な課題だと実感しました。栗山さんたちの主張や提言に、一般市民も声を合わせていく必要があると感じました。